【通りすがりの競馬予想】2024/0423/0427/0428結果

どうも、通りすがりです。

 

以前勤めていた会社での上司にこのように言われたことがあります。

「時間がないと言い訳するな。時間は作るものだ。無駄を無くせば必ず時間は作れる。」

でも、どう頑張ってもやはり時間はないときはないです。

そもそも無駄とはどんなものかは人それぞれで、例え考え事をしている時間は、本人にとっては無駄ではなくても、他の人から見ればただぼーっとしているように感じ無駄に見えるかもしれません。他にも喫煙者の方が煙草を吸うために喫煙所にわざわざ行く時間なんかは非喫煙者から見れば無駄な時間だと思われているかもしれません。(私も以前は喫煙者だったので、煙草を吸わなくなってから非喫煙者の方々がどのように喫煙者の人を見ているのかが少しわかるようになりました)

 

ですので、時間がないは場合によっては正当な言い訳になり得るではないかというのが私の考えです。

それを踏まえて、今週のWIN5の予想ですが、忙しくて時間がない中で予想した結果は買目が多いわりにあまり惜しくもない外れでした。

それを受けて、やはり時間のない中で無理やり予想するのはよくないと思った次第です。

なので、今後はWIN5の予想については不定期にしようかと思っております。(他の予想についても場合によってはブログに記載をしない場合もあります)

それを宣言するためにこのように無駄に長い前置きを書かせていただきました。

 

では、ここからは先週の予想の結果となります。

 

羽田盃予想

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結果:外れ

購入点数:3点 300円

払い戻し:0円

収支:-300円

 

【短評】

3連単の一着付けにしたアマンテビアンコが見事一着も、2着付けにしたブルーサンがまさかの最下位で外れとなりました。ブルーサンが逃げられずに外々を回される展開になったときには厳しい展開になったなとは思ったのですが、まさか最下位まで沈むとは思いませんでした。

勝ったアマンテビアンコは、今日の内容であれば東京ダービーでも有力と思いますが、次回も同じようなメンツだと寂しいので他の路線から対抗できる馬が出てきて是非盛り上げてほしいなと思います。

 

青葉賞予想

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結果:外れ

購入点数:21点 2100円

払い戻し:0円

収支:-2100円

 

【短評】

実は私、今年の中山金杯エピファニーから馬券を買って外したのですが、その際の鞍上だったピーヒュレク騎手の騎乗を見て、正直これはちょっと、、、と思いました。

短期免許で来日する騎手は過去にも多数いましたが、その中で日本が合わないのか、元々がそれほどうまくないのかはわかりませんが、結果を残せず日本を去っていった騎手も少なくなかったと思います。

私の中で、ピーヒュレク騎手はそのような騎手になりそうな予感がしました。その後きさらぎ賞ビザンチンドリームで重賞を勝ちましたが、あれは馬の能力のおかげで勝たせてもらったという感じで、正直褒められるような騎乗ではなかったと私は思いました。

そして今回、青葉賞で私の本命のヘデントールに騎乗したオシェア騎手ですが、残念ながら同様にあまり評価できないと思いました。

馬の問題もあるかとは思いますが、終始後ろのままレースに参加せずに終わってしまいました。直線入口であの位置ではいくら直線が長い府中でも余程の馬でない限り届かないと思います。負けるにしてももう少しなんとかできなかったのかと感じました。

先週から騎乗を始めたばかりで、私もリスクを承知で本命にしたので文句はいいません(上記が文句になっているかもしれませんが)が、しばらくはオシェア騎手の馬には重い印はつけられそうにありません。

 

天皇賞(春)予想

master-xx.hatenablog.com

 

結果:的中

購入点数:21点 2100円

払い戻し:7750円

収支:+5650円

 

【短評】

私の本命テーオーロイヤルが見事に勝利して鞍上の菱田騎手共々初GⅠとなりました。おめでとうございます。そして私の馬券も見事的中となりました。人気の明け4歳世代は全滅と言っていいほどの成績となってしまいました。今年の4歳世代は弱いという声が今後さらに大きくなってくるかもしれない結果でしたね。

そして、私は先週の福島牝馬ステークスに続いて2週連続の中穴的中で、絶好調とまではいきませんが、好調維持でこのまま的中を継続していければと思います。

 

WIN5予想

master-xx.hatenablog.com

 

結果:外れ

購入点数:144点 14400円

払い戻し:0円

収支:-14400

 

【短評】

冒頭で書かせていただいた通り、時間がないのにしっかり検討することもできないのに無理やり予想して、さらに点数も絞り込むことができずに外れるという最悪の形となってしまいました。せっかくブログで予想の公開を始めたので、張り切って多くの予想を記載したいと思ってしまっていたところがあったかもしれません。今までも時間のないときはメイン予想のみでWIN5はパスしていましたので、今後もなるべくWIN5の予想をしていきたいとは思いますが、無理な時は無理とあきらめてパスしようと思います。

 

というわけで、今日は反省の文で終わりにしたいと思います。

通りすがりでした。ありがとうございました。

 

 

【通りすがりの競馬予想】20240428_WIN5

どうも、通りすがりです。

 

今週は忙しくてあまり時間が取れそうもなかったため、WIN5の予想は見送ろうかと思いましたが、なんとか少し時間を作れたので予想してみました。

ですが、あまり絞り込めず買目が多くなってしまったうえにあまり自信がありません。

このような予想で申し訳ありません。

 

ブリリアントステークス

8.グリューヴルム

9.レッドファーロ

14.クールミラボー

 

ライスシャワーカップ

4.ミルトクレイモー

16.グランテスト

17.アルーリングビュー

 

谷川岳ステークス

9.アサヒ

13.トゥデイイズザデイ

 

スイートピーステークス

1.ニシノティアモ

2.ハワイアンティアレ

4.ミスティア

5.コガネノソラ

 

天皇賞(春)

12.ドゥレッツァ

14.テーオーロイヤル

 

買目点数 144点

 

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【通りすがりの短編小説】天皇賞(春)

前のめりにパソコンに向かっていた和也は、マウスを動かす手を止めて座っていた椅子の背もたれに寄りかかった。そして軽く首を左右に動かし、凝り固まった首回りの筋肉をゆっくりと解した。

「ふぅ、やっと終わった」

そうつぶやき、壁にかかっている時計を見ると11時40分を少し回ったところだった。

今頃、伽耶たちはちょうど楽しんでいるころか。

和也は周囲を見渡す。普段は10人以上はいる狭いオフィスが今日は和也一人のため広く感じる。

今日は土曜日で通常であれば休日だったが、和也は会社に来て仕事をしていた。

週明けの会議で使う資料を完成させる必要があったためだったが、いつもだったらこのくらいの仕事は家でやっていた。

だが今日は少し事情が違った。

伽耶から自宅で子供たちのママ友とランチ会をしたいと話があったのは先週のことだ。

持ち回りで今までやってきていて今回はうちの番になったらしい。

その話を聞いたとき、和也は意識はしていなかったが少し嫌な顔をしたらしい。それを見て伽耶はママ友との付き合いが子供たちにとってどれほど大事かを力説を始めた。

しまったと思った。和也もそのくらいのことはわかっているつもりだった。

だから力説を続ける伽耶の話を遮って、反対するつもりはないことを伝えた。

伽耶はわかればよろしいと言い、子供たちのために協力してねと笑った。

そんなこともあり、週末仕事をする必要ができてしまったことで、否応なく休日出勤をして会社で仕事をすることとなったのだった。

ただ仕事がなかったとしても自宅でランチ会をやっているときに和也に家に居場所があったとは思えず、仕事で会社に来ることになったのはあれこれ考える必要がなく都合がよかったとも言える。

とりあえず来週の会議で使用する資料は完成したが、まだ家に帰るのは早い。どうしようかと思ったが、後のことを考えるのはとりあえず置いておいて、まずは昼ご飯を買いに行こうと和也はオフィスを出て近所のコンビニにへと向かった。

 

コンビニで弁当と飲み物、新聞を買ってオフィスに戻ると、先ほどまでは誰もいなかったオフィスに一人デスクに着いている女性がいた。

和也がオフィスに入ると、口に何かを頬張っていたのか、慌てて口を押えながら「お疲れ様です」とその女性は立ち上がって和也に向かって軽くお辞儀をした。

和也は「お疲れ」と声をかけ自分の席に向かう。

その女性は和也と同じ部署で働く河合園佳だった。今年の四月に新卒で入社したばかりの新人で、今日は新人研修のため出社しているのだった。

和也が入社したころは新人研修は新人全員が本社に集められて行っていたが、今は本社と各支店をリモートで接続してテレビ会議を使って行っている。これも経費削減の一貫らしい。たしかに合理的だと和也も思う。

たしか他の部署の新人も2人ほど研修に参加していたはずだが、その2人の姿は見えなかった。

「他の2人はどうしたの」

園佳は再び食べようと弁当に向けた箸を止めて答えた。

「あの2人は近所のマックに食べに行きました」

「河合さんは一緒に行かなかったの」

そう聞くと、手に持った箸を目の高さに持ち上げて和也に見せた。

「私はお母さんが作ってくれたお弁当がありますから」

和也が園佳の机を覗くとたしかにお弁当が広げられている。

そういえば、毎日園佳はお昼は自分の席でお弁当を食べていたと和也は思いだしていた。

成人した娘のために毎日お弁当を作ってれる母親は愛情深いのか子離れができないのかどっちなんだろうかと和也は思った。

だがそれぞれ家庭には事情というものがある、他人が軽々しく詮索するものではないとも思った。

和也は話題を変えることにした。

「研修はどう?」と聞くと、園佳は困ったように笑って、「ずっとリモートで話を聞いているだけなので、正直なところ眠気との闘いです」と言った。

「研修とはそんなものだよ」と和也も笑った。

和也も毎年会社の指示で研修を受けているが、眠気に何度負けたことかわからなかった。

和也は自分の机に買ってきた弁当と飲み物、そしてスポーツ新聞を置いた。

それを横目で見ていた園佳は、スポーツ新聞の一面が見えたらしく、少しテンションがあがったように見えた。

「明日は天皇賞ですね」

和也は半年前にこの支店へと異動してきた。本社勤務のときは同じ部署に競馬好きの人が何人かいたため、よく競馬の話で盛り上がっていた。

だけどこの支店に異動してきてからは、同じ部署に競馬の話をできる人がまったくいなかったため会社では競馬の話をする機会がなくなっていた。

だが、4月に新入社員として入ってきた園佳が自己紹介の際に趣味は競馬ですと皆の前で堂々といったときに、驚きとともに喜びを感じたことを思い出した。

その後、園佳が同じ部署になると、自然と競馬の話をするようになっていた。

園佳の父親が昔から競馬が大好きでその影響で競馬に興味を持ったと園佳は言った。それも和也と同じだったことで親近感を覚えた。

園佳は競馬好きが高じて乗馬をするようになり、中学生のときには将来は騎手になりたいと言っていたらしい。ただその後、乗馬中に落馬で怪我をしたことでその夢はあきらめざるをえなかったようだ。

ただ、競馬好きはその後も変わらず、そして乗馬も続けていると言っていた。

楽しそうに天皇賞の話をしてきた園佳はほんとうに競馬が好きなのだなと和也は思った。

「河合さんは天皇賞が好きなの」

そうすると、園佳少し考えるような顔をした。

「うーん、どうですかね。どちらかと言われれば好きなレースなのかもしれないですけど。だけど、私の父は間違いなく天皇賞春が大好きですね」

「へえー、そうなんだ、どうして」

「実は父が一頭大好きだった馬がいて」

「どの馬?」

ライスシャワーです」

ライスシャワー、、、結構昔の馬だね。非業の死を遂げた名ステイヤーだ」

和也はもちろんリアルタイムで見たことはなかったが、競馬の本や昔のレースの映像などでその小柄だが無尽蔵のスタミナで大レースを何度も勝った漆黒の馬のことはよく知っていた。

「父が言うには、ライスシャワーは2度目の天皇賞春の勝利で初めて主役になれたそうなんです」

「どういうこと?ライスシャワー菊花賞天皇賞春も2度勝ってるし、間違いなくずっと主役だった馬でしょう」

ライスシャワー菊花賞も一度目の天皇賞もレースの主役ではなかったそうです」

和也がどういうことだろうという顔をしていると、園佳はさらに真剣な顔で説明を続けた。

菊花賞ライスシャワーが勝った菊花賞ではなく、ミホノブルボンライスシャワーに3冠を阻止された菊花賞で、一度目の天皇賞春はライスシャワーが勝った天皇賞春ではなく、メジロマックイーンライスシャワーに3連覇を阻止された天皇賞春だったということらしいです」

「なるほど、そういうことね。その二つのレースは主役は勝ったライスシャワーではなく負けたほうだということか。たしかにそう言われると納得できるものがある」

さっきまで真面目な顔で必死に説明していたが、和也に伝わったことで安心したのか園佳の顔の表情が緩んだような気がした。

「だからライスシャワーがやっと主役になることができた天皇賞春に感動したし、忘れられないレースだと父は言っていました。そしてライスシャワーのようなステイヤーがまた現れてほしいとも言っていました」

和也は話しながらコンビニで買ってきた弁当を開けようとしていたが、その手を止めて横に置いてあったスポーツ新聞の競馬欄を開いた。

「今年の出走馬にライスシャワーのようなステイヤーっているかな」

その問いに対して、園佳は弁当の中からつまんだプチトマトを口に運びながら言った。

「一頭いますよ、父の一押しが」

和也は天皇賞春の出馬表を見ながら言った。

「どの馬かな」

園佳は椅子から立ち上がり、和也の席に近づいてきた。

そして和也が広げる新聞をのぞき込んで一頭の馬の名前を指さした。

「この馬です」

 

”ディープボンド”

 

天皇賞春を3年連続2着している生粋のステイヤーだ。

「たしかにそうだね。毎年惜しいレースだし今年こそ勝って主役になれるといいね」

それを聞いた園佳は満足そうにニコッと笑ってから、自席に戻っていった。そして箸を取って弁当の続きを食べ始めた。

それを横目で見つつ、和也は机の上に置かれていた赤ペンを取り上げると新聞のディープボンドの名前に赤丸を付けた。

そして新聞を机の横に置いて、コンビニで買った弁当を開けて食べ始めた。

 

 

【通りすがりの競馬予想】天皇賞(春)

どうも、通りすがりです。

 

近年は3月から4月にかけて海外レースが多くあり、中距離あたりに適正がある馬はそちらにまわることが多いため、天皇賞(春)の出走馬のレベルがそんなに高くない年も少なくありません。ただその分、長距離に適正がある馬がそろっているため、馬券の傾向としてはわりとはっきりしている印象です。あまり人気薄の激走は期待できないので、しっかりと狙いを絞っていきたいと思います。

 

では、天皇賞(春)の予想となります。

◎14.テーオーロイヤル

○11.マテンロウレオ

▲6.ディープボンド

×12.ドゥレッツァ

△5.ブローザホーン

△9.シルヴァーソニック

△16.チャックネイト

☆4.ワープスピード

 

本命はテーオーロイヤルステイヤーズステークスダイヤモンドステークス阪神大賞典というステイヤーとして王道を歩んできて、且つしっかりと結果を残してここに来たのは高く評価できるものだと思います。明け4歳馬のクラシックホース2頭とはまだ直接対決がありませんが、相対的な比較ではこの距離では負けないだろうとの評価です。

対抗は少し捻ってマテンロウレオを選びました。近走内容には特に目立つところはありませんが、去年の天皇賞(春)のレースを見ると、結果は5着でしたが、それほど大きく負けたわけではなく、前走の日経賞も逃げて4着もそれほど負けたわけではなく、意外と長い距離に適正があるのではないかと思えなくもありません。鞍上も長距離で一発がある横山典騎手というのも魅力的です。

去年の菊花賞馬のドゥレッツァは、前走の金鯱賞では勝ったプログノーシスに離された2着でしたが、天皇賞(春)の前哨戦としては上々の内容だったと思います。ここも中心視できる一頭だと思いますが、懸念点として鞍上の乗り替わりがあります。戸崎騎手が悪いというわけではありませんが、この馬に関してはルメール騎手からの乗り替わりは誰であれマイナス要素と思われます。とくに3200mという騎手の腕が問われる距離では特にです。そのため評価をさげて△としました。

 

3連複14の一頭軸流し

買目 計21点

 

ちなみに明日は香港で国際GⅠ競走が3レースあり、日本からの出馬も多数おります。そのため馬券の発売もありますね。ただ私は海外のレースはあまり購入しませんので、明日は日本馬の勝利を願って応援だけしたいと思います。

 

【通りすがりの競馬予想】青葉賞

どうも、通りすがりです。

 

今日は青葉賞の予想となります。

青葉賞はダービーのトライアルレースとなりますが、もうあとひと月もすればダービーなのだと思うと月日の経つ早さを実感するところです。

実はこのレースには注目の一頭がいます。新馬戦、葉牡丹賞の連勝を見てこれは大物だと感じたトロヴァトーレです。前走の弥生賞では凡走してしまいましたが、まだ見限れない思いです。ダービーに向けて注目したいと思います。

 

では、青葉賞の予想となります。

◎9.ヘデントール

○16.デュアルウィルダー

▲15.ショウナンラプンタ

×7.シュガークン

△1.サトノシュトラーセ

△14.コスモブッドレア

△17.トロヴァトーレ

☆11.シュバルツクーゲル

 

本命はヘデントールです。前走の1勝クラスのレースは重馬場のレースでしたが、一頭だけ次元の違う脚で最後方から一気に突き抜けました。まさに力の違いを感じるレース内容でした。ここは昇級初戦のうえ前走までとは条件の異なるレース、さらに鞍上にはあまりよく知らないオシェア騎手と不安材料も多いですが、馬のポテンシャルに賭けてみたいと思います。

他も正直それほど差を感じるほどの材料がなく予想は難しかったですが、負けたレースではなく勝ったレースの内容を参照に選んでみました。

穴としてはコスモブッドレアを推したいと思います。近2走は京成杯3着、スプリングステークス4着と重賞で好走している割には人気が全くありませんが、血統的にも距離延びて悪いとは思えないだけに、しっかりと押さえておきたい一頭です。

冒頭で注目馬と挙げたトロヴァトーレは△止まりとなっておりますが、こちらはあくまで馬券予想としての評価となりますので、個人的評価は冒頭の通りになります。

 

3連複9の一頭軸流し

買目 計21点

 

ちなみに施行条件が変わり、京都競馬場の1900mになったユニコーンステークスですが、条件が変わりすぎて予想の取っ掛かりもなくてかなり難解なレースとなっています。なんとなくですが10番から外の枠に入った馬から勝ち馬が出そうな気がします。

 

【通りすがりの思い出語り】天皇賞(春)

どうも、通りすがりです。

 

サンデーサイレンスが日本競馬を席巻する前に、嘗て一頭の種牡馬が日本競馬を席巻していました。

その名はノーザンテースト。競走馬としては欧州でGⅠを勝利する成績を残した後は日本で種牡馬入り、種牡馬となってからは10回のリーディングサイアーを獲得する大活躍をみせました。

そんなノーザンテーストの代表産駒の一頭にアンバーシャダイがいます。3歳時(当時は4歳表記、以降も現代表記)は条件クラスも勝ちきれない成績でしたが、古馬になってからは有馬記念天皇賞(春)を活躍を見せました。

ノーザンテースト産駒は2度成長するを体現した馬としても知られています。

そしてアンバーシャダイが引退後に種牡馬入りして生まれた産駒の中にいたのがメジロライアンです。若かりし頃の横山典騎手とのコンビで活躍しました。

また有馬記念でかの競馬評論家、大川慶次郎氏の「ライアン、ライアン」で有名な馬でもあります。クラシックでは期待を集めました。ただ惜しいところで勝つことができずにクラシックは未勝利で終わりましたが、翌年の宝塚記念では同馬主の当時の最強馬メジロマックイーンを破ってGⅠ初制覇となりました。

そしてそして、メジロライアンが引退後に種牡馬入りすると初年度産駒として産まれたのがメジロブライトです。

2歳時から重賞を勝つ活躍を見せてクラシックでの活躍を期待されましたが、結果は父同様惜しいところで勝つことができずに未勝利となりました。

ただ菊花賞後に出走したステイヤーズステークスが転機となりました。

このレースで後続に大差をつけて圧勝すると、年明けてからもAJCC阪神大賞典とGⅡを連勝し、そして天皇賞(春)へと出走しました。戦前は前年のクラシックでのライバルシルクジャスティスとの一騎打ちとの見方が強かったですが、いざレースとなると直線では早々とシルクジャスティスを競り落とすと、後方から追い込んできたステイゴールドをも寄せ付けない完勝で、ついに悲願のGⅠ制覇を成し遂げました。

勢いにのって出走した次走の宝塚記念はレース中に致命的な不利を受けて大敗し、その後はまた勝ちきれない以前のメジロブライトへと戻ってしまいました。

だけど、あの天皇賞(春)で見せた圧巻のレースは”メジロ”の冠を持つ馬として、最高のパフォーマンスを見せたレースと言えるのではないでしょうか。

メジロブライトも引退後は種牡馬となりますが、GⅠを勝てるような産駒が出ることもなく10歳という若さで残念ながら早世してしまいました。もう少し長生きできていたら活躍できる産駒を送り出すことができたでしょうか。

 

ここからは余談になりますが、多くの活躍馬を出したノーザンテーストでしたが、今父系を遡ってもノーザンテーストに行き着く馬はいません。ノーザンテーストの子孫が衰退した理由は、ノーザンダンサーの血を持つ馬が多かったことにより配合できる繁殖牝馬が限られたこと、トニービンブライアンズタイムサンデーサイレンスなどの輸入種牡馬の活躍に押されて良質の繁殖牝馬が集まらなかったことなどいろいろあるようですが、あれほどの隆盛を極めた血が数世代でいなくなってしまう競馬の血統の奥深さを感じます。

 

ノーザンテースト - Wikipedia

アンバーシャダイ - Wikipedia

メジロライアン - Wikipedia

メジロブライト - Wikipedia

 

【通りすがりの短編小説】羽田盃競走

自動ドアが開きビルの外へ出た。

時刻は20時をすでに回っている。周囲は暗闇に覆われ、そして顔に当たる夜風が冷たい。

ビルの前の通りは駅の方向に向かうポツポツとした緩やかな人の流れができているが、和也はその流れに逆らうように歩き出した。

今出てきたビルの中には和也が務める会社の本社が入っている。

半年前まではここが和也の勤務地だったが、今は部署異動となり、別の場所が勤務地となっているため、本社に来たのも半年ぶりだった。

そして人の流れに逆らって歩き出した先にある目的地は、半年前まで仕事終わりによく行っていた居酒屋だった。

住居兼店舗のその居酒屋は周囲に雑居ビルが立ち並ぶ一画にひっそりと存在した。

目立つ看板があるわけでもなく、一目見て営業しているのかはわからない。

ただ昔は店によく来ていた和也には、営業中であることは店の雰囲気からすぐにわかった。

入り口の引き戸を開ける。

店の中は左側にテーブル席が2席あり、右側にはカウンター席が8席ほど並んでる。

カウンター席の向かい側がキッチンになっている。

今はどの席にも客はいなく、店の中はカウンター席の上に設置されているテレビから流れるCMの音だけしかしない。

そのとき、カウンターの中から「いらっしゃい」という声が聞こえた。

和也には懐かしいその声は、この店の女将の声だった。

和也の顔を見た女将は、「まあまあ」と嬉しそうな声をあげる。

「お久しぶりです」

和也も嬉しさから声が少し上擦っていた。

「転勤になったって言ってたけど戻ってきたの」

和也は来ていたコートを脱ぎながら女将の質問に答えた。

「本社で会議があって今日だけこっち来てたんだよ」

「せっかくこっちまで来たから、ここのもつ煮込みは絶対に食べたいと思って」

女将はシワの目立つ顔をさらに皺くちゃにしながら満面の笑みを浮かべた。

「嬉しいこと言ってくれるね」

そう言うと女将は後ろを振り返り、そこにある冷蔵庫を開けながら言った。

「ビールでよかった?」

和也は軽く頷きながら「お願いします」と応えた。

和也は椅子に腰掛けて女将がビールと一緒に出してくれたおしぼりで顔を拭きながら聞いた。

「おっちゃんはいないの」

おっちゃんとはこの店の主であり、女将の旦那さんでもある。

そう聞くとさっきまでの満面の笑みが崩れ少し困ったような寂しいような顔になった。

「お父ちゃんは今入院してるのよ」

「肝臓にガンが見つかって先週手術して」

和也は予想もしてないことに困惑して「そうだったのか」と言うのが精一杯だった。

しばらく2人の間に沈黙が流れたが、女将はまた笑顔になって言った。

「でも手術はうまくいったからすぐに元気になるわよ」

「お父ちゃん、元気になったらまた店やるからそれまでおばちゃんがお店守るって約束したのよ」

「せっかく来てくれたのにゴメンね、今もつ入れるから」

そういってキッチンの方に移動していく。

まさかこの半年の短い間にこの店にそんな大変なことが起きてようとは思いもしなかった。

ただ女将夫婦は2人とも70才は超えているはずで、そういうことがあっても不思議ではない年齢だ。

「お待たせしました」

そう言って目の前に、和也念願のもつ煮込みが置かれた。

大根や人参の野菜と、蒟蒻や揚げ豆腐、そしてもつが味噌ベースのスープでしっかり煮込まれたものに、白髪ネギがトッピングされたこのもつ煮込みはシンプルながらも旨みがしっかり詰まった一品だ。

一口二口と食べる。以前と変わらない最高の美味さだった。

「美味しい、とても美味しいよ」

それを聞いた女将はまた嬉しそうに顔を皺くちゃにして笑った。

もつ煮込みをあっという間に食べ終えた和也はビールを飲みながら女将に聞いた。

「店は今1人でやっているの」

「そうだよ、まあお客がそんなに来ることもないから何とか1人でもやれているよ」

たしかに駅前から離れた立地のため、以前からそんなに流行っている店ではなかった。

「でもやっばり1人だと大変じゃないの、おっちゃんの見舞いとかも行ってるんでしょ」

女将は顔の前で手をひらひらさせた。

「おばちゃんは見舞いは店が定休日の日しか行かないよ」

「他の日は息子の嫁が行ってくれてるから」

「おばちゃんは見舞いには来なくていいから店をやれってお父ちゃんが言うからね」

女将とおっちゃんの間には、名前は和也と漢字違いだが読みが同じ一也という息子がいた。

その一也はたしか獣医をしていたはずだった。

「でもお嫁さんがおっちゃんの見舞いに行ってくれるなら助かるね」

だが、女将は少し思うところあるような顔を一瞬したが、すぐに笑顔になって「そうね」と言った。

そのときサラリーマン風の二人連れの男が店に入ってきてテーブル席に着いた。

女将はいらっしゃいと声をかけてから、カウンターの中で接客のための準備を始めた。

和也はカウンターの上に置かれたスポーツ新聞を手に取り広げた。

パラパラとめくって見ていると競馬欄に明日大井競馬場で行われる羽田盃の出馬表があった。

そういえばおっちゃんも競馬が好きで、特に地方競馬がお気に入りだったことを思い出した。

そして地方競馬で行われる交流競走が中央の馬たちの草刈場と化していることを嘆いていたことも思い出した。

嘗てのハイセイコーのように地方から逆に中央競馬へと挑んでいく馬が現れることを強く願っていた。

今年から羽田盃など南関東で行われる3歳戦の重賞が中央に解放されたことを、おっちゃんに聞いたらなんて言うだろうなと和也は思った。

そんなことを考えながら和也は、おっちゃんの願いを託すように一頭の馬の名前に指で丸をつけた。

 

"マッシャーブルム"

 

店の壁にかかった時計を見る。もうすぐ21時になりそうだった。明日のことを考えたらもう帰ったほうがいいのかもしれないが、今日はもう少し女将と話をしていきたいと和也は思っていた。