どうも、通りすがりです。
サンデーサイレンスが日本競馬を席巻する前に、嘗て一頭の種牡馬が日本競馬を席巻していました。
その名はノーザンテースト。競走馬としては欧州でGⅠを勝利する成績を残した後は日本で種牡馬入り、種牡馬となってからは10回のリーディングサイアーを獲得する大活躍をみせました。
そんなノーザンテーストの代表産駒の一頭にアンバーシャダイがいます。3歳時(当時は4歳表記、以降も現代表記)は条件クラスも勝ちきれない成績でしたが、古馬になってからは有馬記念や天皇賞(春)を活躍を見せました。
ノーザンテースト産駒は2度成長するを体現した馬としても知られています。
そしてアンバーシャダイが引退後に種牡馬入りして生まれた産駒の中にいたのがメジロライアンです。若かりし頃の横山典騎手とのコンビで活躍しました。
また有馬記念でかの競馬評論家、大川慶次郎氏の「ライアン、ライアン」で有名な馬でもあります。クラシックでは期待を集めました。ただ惜しいところで勝つことができずにクラシックは未勝利で終わりましたが、翌年の宝塚記念では同馬主の当時の最強馬メジロマックイーンを破ってGⅠ初制覇となりました。
そしてそして、メジロライアンが引退後に種牡馬入りすると初年度産駒として産まれたのがメジロブライトです。
2歳時から重賞を勝つ活躍を見せてクラシックでの活躍を期待されましたが、結果は父同様惜しいところで勝つことができずに未勝利となりました。
ただ菊花賞後に出走したステイヤーズステークスが転機となりました。
このレースで後続に大差をつけて圧勝すると、年明けてからもAJCC、阪神大賞典とGⅡを連勝し、そして天皇賞(春)へと出走しました。戦前は前年のクラシックでのライバルシルクジャスティスとの一騎打ちとの見方が強かったですが、いざレースとなると直線では早々とシルクジャスティスを競り落とすと、後方から追い込んできたステイゴールドをも寄せ付けない完勝で、ついに悲願のGⅠ制覇を成し遂げました。
勢いにのって出走した次走の宝塚記念はレース中に致命的な不利を受けて大敗し、その後はまた勝ちきれない以前のメジロブライトへと戻ってしまいました。
だけど、あの天皇賞(春)で見せた圧巻のレースは”メジロ”の冠を持つ馬として、最高のパフォーマンスを見せたレースと言えるのではないでしょうか。
メジロブライトも引退後は種牡馬となりますが、GⅠを勝てるような産駒が出ることもなく10歳という若さで残念ながら早世してしまいました。もう少し長生きできていたら活躍できる産駒を送り出すことができたでしょうか。
ここからは余談になりますが、多くの活躍馬を出したノーザンテーストでしたが、今父系を遡ってもノーザンテーストに行き着く馬はいません。ノーザンテーストの子孫が衰退した理由は、ノーザンダンサーの血を持つ馬が多かったことにより配合できる繁殖牝馬が限られたこと、トニービン、ブライアンズタイム、サンデーサイレンスなどの輸入種牡馬の活躍に押されて良質の繁殖牝馬が集まらなかったことなどいろいろあるようですが、あれほどの隆盛を極めた血が数世代でいなくなってしまう競馬の血統の奥深さを感じます。